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日本のごみのリサイクル率が低い理由|資源別リサイクル率、海外各国の取り組みも解説

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ごみの問題は、長きにわたり世界的な社会問題になっており、特にリサイクルはさまざまな対策が取られています。しかし、国際的に見ると、日本のリサイクル率は低いと言われています。この記事では、企業の営業や購買部門の人に向けて、日本のリサイクル率について解説します。海外の各国の取り組みも解説しているので、参考にしてください。

目次

リサイクル率とは

リサイクル率とは、ごみの総排出量のうち、どのくらいの量をリサイクルしたのかを表す数値です。リサイクル率は、以下の計算式で求めることができます。

・リサイクル率(%)=リサイクルした量÷ごみの総排出量×100

以下で、ごみの総排出量とリサイクル量について解説します。

ごみの総排出量とは

環境省は、ごみの総排出量を以下のように定義しています。

・ごみの総排出量=計画収集量+直接搬入量+集団回収量

それぞれの用語の概念は以下のとおりです。

・計画収集量:適正処理および資源化のために、自治体が収集する量

・直接搬入量:再生業者などへ直接搬入された量

・集団回収量:市町村の用具の貸出や、補助金の交付などで市町村登録された住民団体によって回収された量

※参考:環境省|日本の廃棄物処理(平成29年度版)

リサイクル量とは

リサイクル量は、以下の計算式で求められます。

・リサイクル量=直接資源化量+中間処理後再生利用量+集団回収量

それぞれの用語の概念は、以下のとおりです。

・直接資源化量:中間処理施設を経ずに再生業者などに直接搬入される量

・中間処理後再生利用量:資源ごみ、粗大ごみなどを処理した後、鉄、アルミなどを回収し資源化した量

※参考:環境省|日本の廃棄物処理(平成29年度版)

資源別のリサイクル率

古紙、缶、ペットボトル、プラスチックなどの資源ごとにリサイクル率は異なります。ここでは、資源別のリサイクル率について解説します。

古紙

公益財団法人古紙再生促進センターによると、2022年の日本の古紙利用率は66.3%です。リサイクルの流れは、以下のとおりです。

1.家庭や事業所から古紙を回収

2.古紙問屋で種類ごとに分別・圧縮梱包されて出荷

3.製紙工場でシート状に形成されて出荷

4.紙加工工場でさまざまな紙製品に加工

新聞は新聞、段ボールは段ボール、紙パックはトイレットペーパーなど古紙の種類ごとにリサイクルするため、分別が重要です。

※参考:公益財団法人 古紙再生促進センター

缶は、アルミ缶とスチール缶があります。アルミ缶リサイクル協会によると、2021年度のアルミ缶のリサイクル率は96.6%、スチール缶リサイクル協会によると、2021年度のリサイクル率は93.1%です。アルミ缶は飲料・食料の缶、金属部品などに、スチール缶は自動車部品、建材、レールなどにリサイクルされます。

※参考:リサイクル率|アルミ缶リサイクル協会

※参考:リサイクル率 - スチール缶リサイクル協会

ペットボトル

PETボトルリサイクル推進協議会によると、2021年度のペットボトルのリサイクル率は86.0%です。リサイクルの流れは以下のとおりです。

1.回収

2.市町村で分別

3.再商品化事業者により原料化

4.製品メーカーにより製品化

ペットボトルは再びペットボトルにリサイクルしたり、繊維製品や、シートなどに再利用したりします。

※参考:日米欧のリサイクル状況比較|統計データ|PETボトルリサイクル推進協議会

プラスチック

プラスチック循環利用協会によると、2021年度の廃プラスチックの有効利用率は87%です。プラスチックのリサイクル方法は3種類あり、87%の内訳は以下のとおりです。

・マテリアルリサイクル:21%

・ケミカルリサイクル:4%

・サーマルリサイクル:62%

プラスチックは、洗面器、ハンガー、文房具、中央分離帯、土木建築資材などさまざまなものに再利用されています。

※参考:2021年 プラスチック情報局|一般社団法人 プラスチック循環利用協会

日本と海外各国のリサイクル率は直接比較ができない

国ごとの算出方法が異なるため、リサイクル率は直接比較ができません。環境省によると、一般廃棄物全体に対する日本のリサイクル率は、2020年は20.2%です。10年ほど19〜20%で推移し、大きな変化はありません。EU加盟国では、ドイツ、オーストリア、オランダ、ベルギーなどは50%を超えている、と言われています。

※参考:一般廃棄物処理事業実態調査の結果(令和2年度)について

日本のリサイクル率はなぜ低い?

日本のリサイクル率が低い背景には、事業の採算がとれない、焼却処理が主流であることなどが影響しています。

リサイクル事業の採算がとれないため

日本のリサイクル率の低さの理由の1つは、リサイクル事業の採算がとれないことが理由としてあげられます。たとえば廃プラスチックを原料として新しい製品を作るマテリアルリサイクルの場合、プラスチックの分別や異物除去などの作業が発生します。そのため工数や手間、コストが増加する傾向があり、リサイクル事業自体の採算がとれないことがあります。

リサイクル率の算出方法が異なるため

日本とEUでは、リサイクル率を算出する際の「リサイクル量」の定義が異なることも理由の1つです。日本では中間処理後に資源化できる物の量を、EUでは中間処理が実施される予定の、資源化前のごみの量をリサイクル量と呼んでいます。中間処理とはごみの安全化や減量、また再利用可能なものを取り出すために粉砕、焼却、選別などをすることです。比較すると、日本のリサイクル率が低く見えてしまいます。

焼却処理が主流であるため

日本は世界のなかでも、焼却処理の割合が圧倒的に高いことも理由にあげられます。EU諸国のリサイクル率の算出方法は、焼却処理率 です。ヨーロッパでは埋立処理が主流でしたが、1999年にEU埋立指令が制定され、有機ごみの埋立処理 を大きく削減することが求められるようになりました。現在、EU諸国では有機ごみの堆肥化、飼料化が進められています。

ごみの排出量が多いため

日本は 1人あたりのごみの排出量が多いことも理由の1つ です。生活が豊かで便利になり、使い捨て商品や過剰包装の商品が増加したことから、大量のごみが発生しています。2019年の調査において、日本のごみの排出量は世界8位です。ごみの排出量の世界1位は中国、2位はインド、3位はアメリカです。

海外におけるリサイクル率向上の取り組み

各国でリサイクル率向上の取り組みが行われています。アメリカ、韓国、スウェーデンなど、5か国の取り組みを解説します。

アメリカ

アメリカでは2021年11月に「国家リサイクル戦略」を発表しました。2030年までに固形廃棄物のリサイクル率を、50%まで上げるという内容です。リユース 、リサイクル可能な商品を増やす、リサイクル過程での環境汚染を減らすといった 5つの目標を掲げています。

韓国

韓国では2022年11月より「資源の節約とリサイクル促進に関する法律」による規制対象を拡大しました。プラスチック製使い捨て食器などの従来から禁止されていた18品目に加え、飲食店でのプラスチック製の使い捨て食器、ストロー、マドラーが使用禁止品目に追加されています。さらに、コンビニエンスストアや小売店でのレジ袋も廃止されています。

スウェーデン

スウェーデンは、家庭ごみのリサイクル率が99%といわれる国です。気軽に紙類、ビン類、缶類、プラスチック類が分別できるごみ収集システムの整備や、リサイクルステーションの設置が進められています。 生ごみについては、多くの人が分別しやすいように、スーパーマーケットで生ごみ用の紙袋が無料配布されており、バイオガスや肥料、燃料として再利用されています。

ドイツ

ドイツはリサイクル先進国、エコ大国といわれ、リサイクル率が高いことが特徴です。ごみは有料回収で、回収頻度や家の大きさに合わせて処理料金を支払います。飲料用ペットボトルやアルミ・スチール缶、ビンには、デポジット制度が取り入れられています。購入時にデポジットを支払い、使用後に購入したスーパーやショップに返却すると、デポジットが返却される仕組みです。

オランダ

オランダでは、サーキュラーエコノミーの取り組みが進んでいます。サーキュラーエコノミーとは、循環型経済を意味し、製造段階から資源回収・再利用を前提とする概念です。多くの企業によるサーキュラーエコノミービジネスの展開や、官・民・研究機関の協力体制による再生可能エネルギーの活用などで、CO₂削減を目指しています。

リサイクル率を上げる取り組みとは

リサイクル率を上げる取り組みとして、3R、4R、サーキュラーエコノミーがあげられます。具体的な特徴をそれぞれ解説します。

3R(Reduce・Reuse・Recycle)

3Rとは、Reduce(リデュース)・Reuse(リユース)・Recycle(リサイクル)の3つの総称です。意味や企業の取り組み例は以下のとおりです。

名称

意味

具体例

Reduce

ごみの発生量を減らす

製品の耐久性を上げる

Reuse

再使用する

使用済み製品を回収し再使用する

Recycle

再生して利用する

使用後にリサイクルできる仕組みを作る

4R(3R+Refuse)

4Rとは、3RにRefuse(リフューズ)を加えたものです。Refuseとは、英語で「断る」という意味で、ごみを出さない取り組みを指します。ストローやレジ袋などを断る、不要なものを買わないといったことを、暮らしのなかで工夫できます。企業においては、無駄のない、持続可能なものづくりを目指す、食品ロスをなくすなどの取り組みが可能です。

サーキュラーエコノミー(Circular Economy)

サーキュラーエコノミーとは、循環型経済のことです。国際的な推進機関である、エレン・マッカーサー財団は、「廃棄物と汚染を出さない・製品や原料を循環させる・自然のシステムを再生させる」を3原則としています。設計・製造の段階から、廃棄や汚染が出ないことが前提です。日本ではサーキュラーエコノミー実現に向け、2022年4月にプラスチック資源循環促進法が施行されました。

まとめ

リサイクル率とは、ごみ排出量のうち、リサイクルした量を示す割合です。日本での取り組みは進められているものの、世界的に見ると日本のリサイクル率は低いと言われています。3R、4R、サーキュラーエコノミーへの移行といった取り組みを通じて、リサイクル率の向上が求められています。

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この記事を書いた人

ユポ コラム編集部

クリエイティブ素材「ユポ」のメーカーとしての知⾒から、課題解決のヒントや開発・モノづくりに役⽴つ情報を分かりやすく発信します。

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