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マテリアルリサイクルの種類やほかのリサイクルとの違いとは?現状や手順などを解説

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マテリアルリサイクルとは、廃棄物を分解する工程を経ずに、新たに製品の材料として再利用する技術です。この記事では、マテリアルリサイクルの手順や、ほかのリサイクル方法との違い、マテリアルリサイクルの種類などについて解説します。マテリアルリサイクルの現状や課題についても解説するため、参考にしてください。

目次

マテリアルリサイクルの概要

ここでは、マテリアルリサイクルの意味や対象となるもの、ほかのリサイクル方法との違いについて解説します。

マテリアルリサイクルとは

マテリアルリサイクルは、マテリアル(物)からマテリアル(物)への、再利用(リサイクル)を意味します。1970年代に誕生したプラスチックのマテリアルリサイクルは、廃プラスチックを原料にプラスチックのまま、新しい製品を作る技術を指します。誕生当時は、産業系廃プラスチックを原料とすることが一般的でした。

近年は、容器包装リサイクル法の施行により、マテリアルリサイクルの対象になる一般系廃プラスチックも増えました。産業系廃プラスチックの代表的な例としては、プラスチック成形工場などから排出される樹脂ダンゴや端材、切くずなどがあります。一般系廃プラスチックの代表例は、スーパーで回収しているトレイなどです。

マテリアルリサイクルの対象となるもの

かつては、産業用廃プラスチックがマテリアルリサイクルの主な対象でしたが、近年は一般廃プラスチックも増えています。産業用廃プラスチックや一般廃プラスチックを使ったリサイクル製品の例は、以下の通りです。

・コンテナ、土木シートなどの土木建築、住宅、農林水産関係の用品など

・自動車エンジンルーム部品など

・貯留浸透システムユニットの部品など

・食品トレイやペットボトル、衣服など

ほかのリサイクル方法との違い

プラスチックのリサイクルの方法には、マテリアルリサイクル以外にケミカルリサイクル、サーマルリサイクルがあります。ここでは、それぞれの違いを解説します。

ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルは、廃プラスチックを化学的な方法で分解し、再利用する技術を指します。分解方法は以下の4つです。

・油化:廃プラスチックを熱などにより化学分解して油化する方法

・ガス化:廃プラスチックを燃やしてガス化し、一酸化炭素と水素を発生させる方法

・高炉原料化:廃プラスチックを製鉄の高炉内に吹き込み、鉄鉱石を還元反応させる方法

・原料・モノマー化:廃プラスチックをモノマーに分解し、再度プラスチックの原料とする方法

プラスチックは、モノマーと呼ばれる単量体をいくつもつなげ合わせた構造です。

サーマルリサイクル

サーマルリサイクルは、廃棄物を燃やしたときに発生する熱を回収して利用するリサイクル方法で、廃棄物を燃料として利用します。廃棄物を燃料として使うため、化石由来燃料を節約できます。比較的低コストで廃棄物を有効活用できるうえ、廃棄物を燃料にするため、埋め立て処分する廃棄物の量を減らせるメリットもあります。主な用途は、温水プールや暖房、ボイラーなどです。

マテリアルリサイクルのメリットとデメリット

マテリアルリサイクルにはメリットとデメリットがあります。以下では、それぞれについて解説します。

マテリアルリサイクルのメリット

ペットボトルを繊維にしたり、包装容器を物流パレットにしたりと、廃棄物を原材料として再利用できます。廃棄物を国産の資源として活用できるため、輸入に依存している化石由来原料を使う量を減らせるでしょう。焼却処分されるプラスチックごみの量が減らせるため、脱炭素化にも役立ちます。

マテリアルリサイクルのデメリット

廃プラスチックを原料として再生利用する場合、一般的には、廃プラスチックの分別や異物除去などの工数が必要となります。そのため、手間やコストが増加する傾向があります。また、再生紙の製造においては、樹脂由来のバージンパルプで紙を製造するよりも多くの二酸化炭素が排出される場合もあります。そのため、必ずしもリサイクルをすることが環境にやさしいわけではありません。リサイクルの結果、環境負荷低減につながるか、よく分析することが重要です。

※参考:環境庁|紙類の判断の基準等に係る検討経緯について

マテリアルリサイクルの種類

マテリアルリサイクルには、水平マテリアルリサイクルとダウンマテリアルリサイクルがあります。

水平マテリアルリサイクル

水平マテリアルリサイクルとは、廃棄物を同じ製品の原料としてリサイクルすることです。一例として、ペットボトルを原料にペットボトルにリサイクルする、古紙をリサイクルして再生紙にする、食品トレイをリサイクルして食品トレイにするなどがあります。

ダウンマテリアルリサイクル

廃棄物が、同じ製品の原料として十分な品質でないときに、要求品質がより低い分野の製品原料としてリサイクルすることが、ダウンマテリアルリサイクルです。ダウンマテリアルリサイクルには、ペットボトルをリサイクルして衣類にする、デザートカップや洗剤ボトルをリサイクルして公園のベンチやパレットにする、などの例があります。

英語で「段階的に連続した滝」の意味を持つ「cascade」から、カスケードリサイクルとも呼ばれています。

マテリアルリサイクルの手順

ペットボトルを例に、マテリアルリサイクルの方法を3つの手順に分けて解説します。

1.分別排出をする

家庭や事業所などから、排出される廃棄物を素材ごとに分別します。以下は、ペットボトルを分別排出する場合の例です。

1.ボトルからキャップをはずし、ラベルをはがす

2.ボトルの中を水ですすぐ

3.ボトルを横方向につぶす

4.指定日に排出する

2.市町村が分別収集を行う

素材ごとに排出された廃棄物は、市町村が分別収集を行います。以下は、ペットボトルを分別収集する場合の例です。

1.市町村が、分別排出されたボトルを収集して、選別する

2.圧縮梱包、保管、分別収集をする

圧縮梱包とは、ペットボトルをリサイクルに適した状態にして事業者に引き渡すために、国が定める基準を満たした「分別基準適合物」とする過程です。

3.再商品化をする

市町村が分別収集した素材のうち、ペットボトルを再商品化する場合の手順を解説します。

1.ペットボトル再商品化事業者が、市町村が分別収集したペットボトルを、選別、粉砕、洗浄、分離する

2.分離したペットボトルを再生フレークや再生ペレットにして、再商品化する

再生フレークは、ボトルを小さく裁断したものです。再生ペレットとは、再生フレークを加熱溶融して、粒状に成型したものを指します。再商品化の工程では、塩ビボトル除去、着色ボトル除去、手選別、風力分離、比重分離をする場合もあります。

マテリアルリサイクルの具体例

どのようなものがマテリアルリサイクルされているのか、具体例を解説します。

ペットボトル

ペットボトルをマテリアルリサイクルする場合、水平マテリアルリサイクルでは、再生フレークや再生ペレットからペットボトルにリサイクルされます。ダウンマテリアルリサイクルでは、再生フレークや再生ペレットから衣類、卵のパック、食品用トレイ、洗剤用ボトル、定規、下敷き、防寒シートなどにリサイクルされています。

ポリ塩化ビニール

ポリ塩化ビニールは、分別回収された廃プラスチックを物理的手法により再びプラスチックへ戻す、マテリアルリサイクルが行われます。例として、塩ビパイプをパイプにリサイクルする、農業用ビニルフィルムを床材にリサイクルするなどがあります。

金属製品

金属製品は、高温で溶かした金属くずを精錬してマテリアルリサイクルを行います。具体例としては、アルミ缶を溶かし、固めて再生地金にするリサイクルが挙げられます。再生地金からは、アルミ缶や自動車部品ができます。

木くずや廃材、がれき

木くずや廃材、がれきなどは、細かく砕けばマテリアルリサイクルが可能です。木くずは、木質チップとして壁や床、屋根の下地材、パーティクルボード、マルチング材などにリサイクルされます。コンクリートやアスファルトのがれきは、道路舗装や埋め立て工事の下地などの骨材にリサイクルされます。

マテリアルリサイクルの現状と課題

国内では、マテリアルリサイクルはどのくらいの割合を占めるのでしょうか。以下では、マテリアルリサイクルの現状と今後の課題について解説します。

マテリアルリサイクルの現状

日本では、サーマルリサイクルの割合が多く、マテリアルリサイクル(再生利用)された廃プラスチックの量は、2020年で173万t、廃プラスチック全体の21%にとどまっています。2016年の廃プラスチックのマテリアルリサイクル23%のうち、国内で実施されたリサイクル比率は7%、海外輸出が16%と海外輸出の割合が高めです。

マテリアルリサイクルが進まない理由には、プラスチックの再生にはコストがかかることや、リサイクルの過程で不純物が混ざりやすく、品質の確保が難しいことなどがあげられます。

※参考:一般社団法人 プラスチック循環利用協会|プラスチックリサイクルの基礎知識2023

※参考:旭化成|日本のプラスチックリサイクルの現状と課題

プラスチックリサイクルの課題

プラスチックごみの輸出が規制されたため、国内で、廃プラスチックの処理に対応する必要が出てきました。実施が容易なサーマルリサイクルは、燃焼時に二酸化炭素が排出されるため、地球温暖化の原因となりかねません。さらに、再生プラスチックには品質や供給が不安定な傾向があります。プラスチックの再生は、よりコストがかかりやすい点も課題の1つといえるでしょう。

マテリアルリサイクルの展望

カーボンニュートラルにむけた削減目標の1つが、サイエンス・ベースド・ターゲット(SBT)です。SBTにサーマルリサイクルは含まれないため、マテリアルリサイクルの体制を整える取り組みが必要です。リサイクル法の整備、国民の意識向上により、マテリアルリサイクルへの取り組みが進んでいます。

しかし、家庭ごみ由来の「その他プラ」に分類される廃プラスチックなど、さまざまなものが一緒になった製品のマテリアルリサイクルは、素材の適切な分離などに大きな社会的なコストがかかり、現実的ではないケースも多々あります。何をどのようにリサイクルするかの見極めが大切です。たとえばペットボトルをリサイクル由来原料で製造する場合、正しく分別回収された使用済みペットボトルだけを使用してマテリアルリサイクルする方法が考えられるでしょう。

まとめ

マテリアルリサイクルとは、廃棄物を化学的に分解したり燃焼利用したりせずに製品原料として再利用するリサイクル方法です。同じ品質レベルの製品の原料としてリサイクルする水平マテリアルリサイクルと、要求品質がより低い分野にリサイクルする、ダウンマテリアルリサイクルがあります。カーボンニュートラル削減目標を達成するためにも、マテリアルリサイクルへの取り組みが急務です。

三菱ケミカル株式会社と王子ホールディングス株式会社のグループ会社である株式会社ユポは、消費者が剥がさずとも、容器のリサイクル工程で分離可能なラベル原紙や、リサイクル原料を使用したクリエイティブ素材「ユポ」の開発など、プラスチックのマテリアルリサイクルに貢献する製品開発を推進しています。環境に配慮した製品に興味がある方は、ぜひお問い合わせください。

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この記事を書いた人

ユポ コラム編集部

クリエイティブ素材「ユポ」のメーカーとしての知⾒から、課題解決のヒントや開発・モノづくりに役⽴つ情報を分かりやすく発信します。

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